以前から漫画が原作のアニメを鑑賞していて、ずっと気になっていたことがある。
たとえば以下に示した『パンプキン・シザーズ』のセリフを見ていただこう。原作、アニメともに同じシーンである。やや細部に記憶違いがあるかもしれないが、大筋は合っているのでご容赦を。
・原作
「軍で麻薬市場を経営しようというのか?」
・アニメ版
「軍でヒンメル市場を経営しようというのか?」
どうだろうか。原作で麻薬だった部分が“ヒンメル”という固有名詞に置き換えられている。このシーンだけでなく、該当する単語の出てくる場面すべてが同様だった。ちなみに私はドイツ語に詳しくないが、ヒンメルとは「天国」「空」を意味するらしい。
続いて『ガンスリンガー・ガール』も原作とアニメ版を比較してみよう。
・原作
「だったら私をさっさと薬漬けにしたらどうです?」
・アニメ版
「だったらさっさと私の条件付けを強化したらどうです?」
といった具合になっている。本作は「薬物投与によって少女たちの精神をコントロールして暗殺者に仕立て上げる」という非情な設定が大きな特徴だが、より婉曲な“条件付け”でお茶を濁しているようだ(この用語自体は作中に存在している)。
この両者を見てみると、原作ファンとしては少なからず違和感がある。とりわけ『パンプキン・シザーズ』のアニメ版では、原作を知らない視聴者を完全に置いてけぼりの印象があった。話の流れや画面上の絵から、視聴者が自力で「ヒンメル=麻薬」と推測しなければいけないからだ。麻薬に蝕まれる社会的弱者が主題のエピソードだっただけに、このハンデは大きい。
ひょっとしてアニメ業界には「NGワード一覧」のようなリストがあって、薬物関係はすべてストップがかけられるのだろうか?
そのあたりの疑問を確かめるべく、アニメ業界の関係者さんに話を聞いてみた。それによると、まずアニメ業界でNGワードの統一基準はないそうである。じゃあNGかどうかを誰が決めているかといえば、おおむね制作者ではなく放送局側らしい。
つまり作品によっては、原作で「麻薬」だったのを、そのままアニメ版で使用できるケースもあるということだろう。たしかに、そうでもなければ麻薬捜査官が主役の漫画は永遠にアニメ化できなくなってしまう。いくら何でも憲法で表現の自由が保障されている以上、最初の仮説には無理があったようだ。
そういえば思い当たる漫画原作のアニメが、ほかにもあった。
・『無敵看板娘』の茅原先生 → 原作ではすぐに自殺未遂をするキャラだったが、アニメ版では「辞表を書く」設定に変えられている。
・『さよなら絶望先生』の糸色先生 → 原作にあった自殺癖はアニメ版でも採用。それどころかOPアニメでさえ首を吊っている始末。
これなど、局側の判断で表現が分かれたケースと言えまいか。どちらも原作漫画では「すぐに自殺したがる困った教師」という設定だが、アニメ版での扱われ方は対極と言っていい。
こうして考えると、原作漫画をただ動画にすればアニメ版の完成!とは言えないようである。原作版の面白さをできるだけ殺さず、局側のチェックに引っかからない表現を模索し、なおかつ視聴者の反応も気にしなくてはいけない。そんな状況に置かれながら奮闘しているアニメ制作現場の皆さんには、心から敬意を表したいと思う。
12月12日に発売され、『さよなら絶望先生』特別編などで話題になったマガジンドラゴン誌がいきなり苦境に立たされている。
新人漫画家の描いた10作品から読者が選んで投票し、見事1位に輝いた作品は週刊少年マガジン本誌の掲載権を得られる企画「ドラゴンカップ」参加作において、盗用の事実が明らかになったというニュースだ。
今回問題になったのは10作品のうち、エントリーナンバー3にあたる『メガバカ』。作者は新人の豪村中。すでに作者自身が盗用の事実を認め、同作は読者投票の対象から外された。出版元の講談社は今月21日から、自社サイトにて正式な謝罪文を掲載している(※一定期間後に削除される可能性があります)。
この『メガバカ』は、人気漫画の絵を上からそのまま透かして複写する「トレース」という手法で盗用が行なわれた模様。本来トレースは、作者が取材で撮影してきた風景写真を作品のバックとして転写するなど、作業効率をアップさせる正当な目的で使われてきた。
ところが今回の問題作では『デスノート』をはじめ、『多重人格探偵サイコ』『みたむらくん』『エア・ギア』など、よりにもよってメジャータイトル中心に多量のキャラクター・構図自体をトレース。掲載された36ページのうち、ほぼ全ページにおいて盗用が確認された。ネット上には実際の画像を使って比較する検証サイトも登場し、どの部分がトレースによる盗用なのか確認することができる。
講談社にしてみれば
・創刊一発目から盗用事件
・しかも目玉企画の第1回エントリー作品
・新人漫画家に民事訴訟しても、損害額の回収など期待できない
・外部への建前上、関係者の処分や今後の予防策について発表する必要がある
といった具合に、まさに踏んだり蹴ったりと言えるだろう。
(自らの管理の甘さが招いた不祥事でもあるが……)
発端になった漫画家本人の将来に興味はないが、講談社の「中の人」たちに対しては一定の同情を示したい。
ちなみに漫画家の盗用といえば、2005年に発覚した末次由紀による「スラムダンク盗用事件」が記憶に新しい。事実を認めた作者は当時掲載中の『Silver』を打ち切られ、過去作品まで含めて絶版になるという厳しいペナルティが課せられた。この時も講談社が謝罪しているのを考えると、つまり2年前の教訓は今回の一件に生かされなかったということだろうか。
とはいえ漫画作品がこれだけ出回っている現在、ネームまたは原稿の段階で編集者が盗用の有無まで100%チェックするのは無理があるのも事実。ならばせめて漫画家との契約書類に「盗用時の賠償予定額」を含めて明記し、多少なりともプレッシャーを与えておくべきだと思う。
また、「どこからが盗用なのか?」「盗用の定義は?」という漫画家の疑問に答えるため、大手出版社が合同でガイドラインを作成しておく選択肢もある。そうでもしておかなければ、同じような盗用騒ぎが今後も起こっていくだろう。業界全体の前向きな取り組みに期待したい。
なお、問題となったマガジンドラゴン誌の表紙イラストを描いたのは皮肉にも『エア・ギア』『天上天下』など、『ショコラ』や『デスノート』と並んで最も多く今回の盗用に使われた漫画の作者・大暮維人であった。
ニュースソースはこちら
rokuさんが少し前の記事で取り上げていた「ドラゴンボール」映画化の話題ですが、
キャスティングは着々と進んでいる模様。
ヒロイン・ブルマ役はエミー・ロッサム。
我らが田村英里子嬢の出演決定は素晴らしい快挙だし、
他のキャストも次々決まってきているようです。
しかし、ワタクシが一番気になっているキャストは・・・クリリン。
ねえ、まだ報道とかされていないですよね?
クリリンは悟空の大親友で、原作では非常に重要なポジションにいるキャラクターです。
悟空がピッコロと敵対するようになったことや、
物語がシリアスな方向へシフトチェンジされていったこと。
このきっかけは、物語途中でクリリンが命を落としたこと。
(後で生き返りますが・・・)
「人が死ぬ」というリアルな悲しみと恐怖が、
明るい楽しい作品に大きな影をもたらし、
より「ドラゴンボール」をリアルでドラマチックな作品へと
進化させていった。
その大きなターニングポイントを作ったのがクリリンです。
ヤムチャもピッコロも既に決まっているようですが、
この重要な役どころであるクリリンは果たして・・・
これも難しそうなキャスティングなだけに、
少し時間がかかるかもしれませんね。
次のニュースを待ちましょう。
夏休みの臨海学校で、謎の「ゲーム」参加に契約した15人の少年少女。訳もわからず乗り込まされたのは全長500メートル級の黒いロボット。襲い来る外敵に勝利しない限り、地球人類が滅びるという宣告をされてしまう。圧倒的パワーで敵を退ける彼らのロボットだが、その代償は「パイロットの避けられない死」だと知る。一人、また一人と仲間を失いながら15体の敵を排除するために彼らの戦いは続く……。
重い。いきなり重すぎるテーマですよ母さん。
『ぼくらの』は近未来の日本を舞台に、まあ上記のようなストーリーが展開される青春群像劇とでも申しましょうか。話の軸には巨大ロボット同士の戦闘があるけど、あくまで強調されるのは搭乗することになった少年少女たちの内面描写。生き様というより、この作品の場合は「死に様」といった方がしっくり来るかも。
なんといっても自分がメインパイロットになった戦闘では、勝っても負けても死ななければいけないのである。さらに負ければ、自分もろとも世界丸ごと滅亡してしまうという極悪なオマケ付きだ。あまりにダイレクト、そして何という理不尽。あの『エヴァンゲリオン』さえ超える、まさに“究極のセカイ系”といえるだろう。
さすがに主要キャラが15人になると、それぞれの過去や行動原理、戦闘に臨むときの心構えもバリエーション豊富。正しいルールを知らされる前に死ぬ者、死の恐怖からパニックを起こして戦闘放棄する者、大切な存在を守るために納得して戦いに挑む者、ロボットの強大な力を復讐に利用しようとする者――。中には戦闘シーンの描写がないキャラもいるが、大切なのは本人が戦闘に至るまでの葛藤なので特に違和感をおぼえることはないはず。
率直に個人的な感想をいえば、序盤を読んでいる時は面白さよりも嫌悪感が勝っていた。絵柄に若干のクセがあるのに加え、とにかく人の命が軽すぎると思ったからである。だが読み進めていき、「彼らは誰と戦っているのか」「なぜこの戦いが仕組まれたのか」が明らかになるあたりから印象はガラリと変わっていく。ネタバレを避けるため詳細は記載しないが、とにかく2巻くらいまで読み進めて欲しい。1巻だけでは足りない。作品世界にどっぷり浸るためには少なくとも2巻まで読む必要がある。そうすれば、もう抜け出せなくなることを保証してもいい。
ちなみに本作品はアニメ版・小説版も存在し、それぞれ設定や登場人物まで多くの部分が異なっている。ロボットつながりなのか、アニメ版の声優陣は「ガンダム乗り」の割合がやけに高いのも特徴。原作となる漫画版がスタンダード(基準)だが、別メディアとの違いを比べながら楽しむのもアリだと思う。
少なからず読み手を選ぶとはいえ、アクション要素よりも重厚なドラマ性を求める人なら蔵書に加えて損はない作品である。
■基礎データ - 『ぼくらの』
・作者 :鬼頭莫宏
・出版社 :小学館
・刊行状況:7巻まで(続刊)
■評点 - 『ぼくらの』(5つ☆が満点)
画力 :☆☆☆
物語 :☆☆☆☆☆
独創性 :☆☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆
前回はそっち属性のない人でも楽しめるボーイズラブ漫画を紹介したので、今日はバランスを取る意味で対極を引っ張り出してみよう。お手頃なガールズラブ漫画『ストロベリーシェイクSWEET(一迅社/林家志弦)』である。
ストーリー自体はあって無きがごとし。芸能プロダクションに所属する16歳の売れっ子アイドル(♀)が、見習いとして入ってきた同年代の女の子にひとめ惚れ。そんな少女の悶々とする日々、そしてスレスレな愛情表現を描いたコメディ作品だ。
いちおう分類上はコメディ漫画として扱われることが多いが、中身はほぼ全編にわたってハイテンションなギャグが繰り広げられる。意中の相手が泊まりに来るのを想像しただけで鼻血を吹き出す主人公、同性しか愛せない女性アーティストが集まったビジュアル系バンドの名は「ZLAY(ズレイ)」。今のところ登場する女性キャラは1人を除いて全員同性愛者。男性キャラにいたってはロクに名前すら用意されていないという大胆さ。……もう徹底した「オンナ最高! オトコいらねー!」路線が何というか、いっそ清々しい。
作者の林家志弦は個人データに乏しいものの、1980年代からゲーム業界で活躍してきたベテラン。そのあたりから現在は40代前後かと思われる。公式サイトの日記で一人称が「婆」となっているあたりからも、決して若手ではあるまい。
だが作品を読んでみれば分かる通り、とにかくこの人が描くドタバタ劇は毎回エネルギッシュ。パワー溢れる独特のセリフまわしも秀逸である。安永航一郎・田丸浩史の言語感覚にピンと来た人は、この作風がきっとツボにハマるはず。掲載誌(コミック百合姫)で看板漫画のひとつになっているのも納得できる。なにげに中毒性が高いのだ。
百合系ジャンルのわりにきわどい描写はないため、購入する勇気さえあれば男女を問わず存分に楽しめる作品。そんな意味ではガールズラブの世界を知る入門用にも最適といえるだろう。難点をいえば掲載誌が季刊発売ゆえ、続きの単行本が出るまで2年以上も待たされるということか。
なお、より一般寄りな作品を望むなら、同じ作者の『はやて×ブレード』を読んでみるといい。こちらは「剣待生」という特殊な制度をもった学園で繰り広げられるチャンバラアクション活劇。作者のギャグセンスはここでも遺憾なく発揮され、読んでいて元気が出ること請け合いだ。
■rokuによる独断評価(5つ☆が満点)
画力 :☆☆☆
物語 :☆☆☆☆
独創性 :☆☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆
仕事で近くまで来たついでに秋葉原を巡回。いやー、この時期に及んでもクリスマスムードがほとんど皆無なのはさすがだ。聖夜を仕事オンリーで過ごす者として『独り者に優しい街・アキバ』という称号を贈りたい。
閑話休題。
そんなアキバで『戦う!セバスチャン(新書館/池田乾)』の最新刊をゲット。全方位の読者を対象にしたスラップスティックコメディだが、掲載誌がボーイズラブ誌というのが大きな特徴である。
さて内容はといえば、架空の街「フラン○フルト」にある大金持ちの邸宅が舞台。全身に凶器を隠し持つ超美形執事・セバスチャン(♂)を筆頭に
・IQ250なのに仕事をサボリまくる若旦那
・さわやか美青年だがリアルゲイのお抱えコック
・不死身、さらに脱皮までする謎の少女型クリーチャー
・一見常識人だが悪魔とも取引があるお隣の若旦那
・彼らの巻き添えで右往左往する使用人(一般人)
などなど……個性豊かな面々がドタバタ暴れ回る「だけ」の展開がミョーにハマる作品だ。別に強力なライバルが登場するわけでなく、世界に破滅の危機が訪れるわけでもない。ただノホホンとした日常の中でどこまで大騒ぎできるか。その極限に挑んだかのような作風。
部屋や調度類を壊すのは当たり前、時には屋敷の一角を吹き飛ばし、まれに屋敷全体が崩壊。屋敷の全員で花見に出かければ周囲一体が焦土と化すような、なんとも潔い暴れっぷりが魅力。それでも死人はいっさい出ず、日常が続いてゆく。まさに正統派コメディの教科書のような作品と言ってもいい。
ちなみに主役を務めるセバスチャンは、必要ならば自分の主人さえシバき倒すクールな鬼畜だが、登場する全キャラは自ら進んでセバスチャンをイジり、そして至福の表情でシバかれる。このセバスチャンに対する歪んだ愛情表現をほほえましく思えるようになれば、読者として合格だろう(←何の合格なのか)。絵が非常に巧いのもプラス要素。
いちおうボーイズラブ誌の掲載とはいえ、それっぽいシーンは作中にほぼ皆無なので安心して構わない。老若男女を問わず気軽に読める佳作として広くおすすめしたい。あとは腐女子の皆さんがウヨウヨしているBLコーナーから本を抜いてレジへ持って行く勇気さえあれば。
■rokuによる独断評価(5つ☆が満点)
画力 :☆☆☆☆☆
物語 :☆☆☆
独創性 :☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆
時は20XX年…時の権力者により、日本の民衆はラーメンを食べることが禁じられていた。これが世に言う「禁麺法時代」である!!しかし、どうしてもラーメンを忘れられない人々の前に、現れた救世主!銀色の箸を操って、あらゆる物質をラーメンに変える錬麺術師ラビリンスと相棒の蛇トリスは、法の網をかいくぐって依頼人にラーメンを提供し続ける……。
( 『ラーメン・ラビリンス』秋田書店/市東亮子/1993年12月発行)
かつてこれほどバカバカしいラーメンマンガがあっただろうか!?
いや、ない!!
しかもこれ、少女マンガなのである。
今どき少女マンガ=お目々キラキラと思っている御仁は少ないだろうが(いるところにはいるらしい)、この荒唐無稽さが華やかな少女マンガの世界にあっても違和感なく存在しているところが凄い。
高級素材で作られた椅子の腕は、錬麺術師ラビリンスの箸に挟まれると「ふかしたてのイモのようにポクッと」折れ、器のなかで解きほぐされて、沁み出たスープとともにラーメンへと変容していくのだ。
そのコク、そののどごし、弾む歯ごたえ…。
元が椅子であろうが便器であろうが(笑)、出来上がるのは死ぬほど旨そうなラーメンなのである!あああ食いたい!食ってみたい!
ストーリーは、ラーメン迷宮の麺…もとい面々(ラビリンスたち)を縦糸に、ラーメンGメンに隠れ麺食い党、秘密結社「めんそーれ」といったカルト宗教や国家体制を横糸に、そしてその道の男女にはタマラないらしい、半ズボン美少年のふとももを飾り糸に織り上げられていく。(断っておくが、私自身はその道の人ではない。むしろ白衣と眼鏡がキーアイテ…ゲホゲホ)
作者の市東亮子は、アクション学園もの『やじきた学園道中記』やファンタジー活劇もの『BUD BOY』あるいは青春ものからヤクザもの、幻想と現実の入り交じった哀しい作品まで、幅広いジャンルを描いているマンガ家だが、本作品ではなにかリミッターが外れたとしか思えないくらい、突拍子もない設定が詰め込んであって楽しい。(同系列作品『バトル・フィンガー・ファイブ』)
もっとも作品自体は厳しい規制のもとに製作されていて、それは同コミックス収録の「即席拉麺迷宮製作秘話」にも描かれている。なにせ題材が題材だけに、メーカー各社に使用許可を取らなくてはいけないからだ。
しかしこのマンガはまた「王風麺(ワンフーメン)」や「華味餐庁(カミサンチン)」「楊婦人(マダム・ヤン)」「チャルメラ・デラ」「大吉」など、もはや発売されていない懐古メンがいかに旨かったのかを、文字どおり筆舌つくして語ってくれる。お蔭でそれぞれのインスタントラーメンは、その名称と味が永久保存されたのではないだろうか。
さて夜も深まり、そろそろ小腹がすいてくる時間である。
台所には袋ラーメン「うまいっしょ醤油味」が買い置きしてあるのである。
鳴き始める腹の虫、目の前に『ラーメン・ラビリンス』、そして(ここ5年は一本槍で購入している)「うまいっしょ醤油味」とくれば、あとは黙って鍋に550ccの水を入れて火にかけるしかないではないか!?
罪なヤツだぜ、『ラーメン・ラビリンス』。
悪魔の囁きに負けた私はそうつぶやきながら、本日4食めとなるインスタントラーメンを作るために立ち上がるのだった……。(合掌)
今回は小ネタ系で行きます。ちょっと最近気になった漫画関連のお話を。
■『ドラゴンボール』実写版に日本の女優が出演決定
ネタ元はこちら。
何年も前から実写化、実写化と言われていたハリウッド版の『ドラゴンボール』。女優の田村英里子が出演決定というニュースだ。田村英里子といえばアイドル時代しか思い出せないが、まさか渡米していたとは。
ちなみに本作の実写化については一時お蔵入りかと噂されていたが、今年になって撮影が進んでいることを知らされて驚いた。Wikipediaによれば制作費1億ドルの超大作、あのチャウ・シンチーがプロデューサーということで2度ビックリだ。
それよりも『寄生獣(講談社/岩明均)』のハリウッド実写化を早期に進めて欲しいが……。
■週刊少年サンデーのアレが
先週から漫画読みの間で広がっている話題である。あのサンデーで『デスノート』第2部がスタート!?と書けば、なんのことか明白だろう。あまり敵を増やしたくないから率直な感想は避けるけど、いや確かにこれは実際読んでみて凄かった。すでに今回の騒動は、お隣の韓国にまで及んでいるらしい。いろんな意味で、今後の展開に期待しよう。
まあサンデーには、このレベルなら過去に結構あったのも事実。有名どころでは安西信行の『烈火の炎』が富樫義博の某作品、巨匠の描いている『犬夜叉』だって冒頭は見事なまでに藤田和日郎の某作品(しかも同掲載誌)、個人的な感想で言えば井上和郎の『美鳥の日々』『あいこら』だって某有名作品と強く結びつく。
こうした傾向はサンデーだけで極端に目立つ……ような気がするのは錯覚と思いたい。
■『ハンター×ハンター』またまた休載
こちらも漫画ファンにとっては「ああ、またか」という話なので、予定調和ともいえる。むしろ今回は連載再開時に10週のみ(つまり単行本1冊分)と予告していただけ良心的だ。もう諦めている人はともかく、続きを読みたい人は再び2年ほど待たされるのを覚悟しよう。その間は同作者の『レベルE』を読んで待つのが吉か。こっちは殿堂入りクラスの傑作。
■「コミック・ガンボ」が今月で休刊
日本で初の無料漫画誌『コミック・ガンボ』が、今月11日発行号で休刊(事実上の廃刊)となった。当初のニュースでは理由を「諸般の事情」としか報じていなかったが、翌日のニュースにおいて発行元のデジマが倒産したと発覚。負債総額は2億円とのこと。
広告収入を期待した無料漫画雑誌という志は良かったものの、結局は1年程度の短命雑誌になったわけだ。今のところ大手企業による無料漫画サービスとしては、講談社の『e-manga』や竹書房の『近代麻雀 THE WEB』が残るくらいか。
思うに、世界中を見回しても日本人ほど漫画を見る目が肥えている人種はいない。だから結局のところ無料だけではアピールが弱く、「お金を払ってでも良い作品を読みたい」という傾向が強いのだろう。
いっそ大手出版社は無料オンライン漫画を「新人作家の登竜門」と割り切って考えるのはどうだろうか? そうすればメジャー作家との棲み分けも容易だし、読者からのフィードバックを受けやすくなると思うのだが。
農業大学を舞台に、菌が見える主人公と彼をとりまく人々の毎日を描いた漫画『もやしもん(講談社/石川雅之)』。
この作品に登場するかわいい菌たちが、マグネットつき立体マスコットになりました。もうご覧になりましたか?
その名も「もやしもん モネラマグネットカプセル」。
制作したのはフィギュアや食玩の老舗・海洋堂です。
原型制作は単行本のおまけフィギュアの制作にも携わっている榎木ともひで氏。2個で1セット・300円で、フィギュアを収納するブリスターはシャーレ型という芸の細かさです。
気になる種類は
A.オリゼー
S.セレビシエ
S.エピデルミディス
O-157
C.ボツリナム(2種)
L.フルクチボランス
G.エツニカタム
の8つ。
秋葉原・ラジオ会館内の「ホビーロビー東京」をはじめとして、12月中旬から全国のアニメイトやカプセル販売機取り扱い店にて販売されます。
商品についての詳細は、海洋堂の商品紹介ページにも書かれています。
何が出るかわからないカプセルトイや食玩の悩みはダブリ。目当てのキャラは出ないのに、いらないキャラばっかりいくつも集まってしまい、処分に困ることがしばしばありますね。
ところがこれはむしろダブリ歓迎。沢山揃えて楽しんでください。
冷蔵庫やデスク、ホワイトボードなどにメモを貼り付けるのに重宝するので、私も可愛いマグネットを集めるのが大好き。これも集めてかもしまくってしまいそうです。
……冷静に考えると、冷蔵庫に菌がびっしりって問題大アリですなんけど(笑)。
『もやしもん』のもうひとつの魅力は主人公・沢木惣右衛門直保を始めとする周囲の人々のキャラクター。
文系の私にはぴんと来ないんですが、理系の大学ってあんなに濃い人いっぱいの楽しいところなんでしょうか?
炊飯器を稼働しながら仕事していたらブレーカーが落ちる、うっかりトイレで目測を誤る、百円ショップでネギが1本しか買えない。……こうした「ツイてない日」は誰の日常にでもあるだろう(いやに具体的な例だが)。
だが、その程度でいちいち周囲に当たり散らしているようでは社会人失格。ストレスは上手に解消しよう。そんな心がトゲトゲした日に読みたいのは、一発で心をホンワカさせてくれる癒し系の漫画たちだ。
いや冗談でも何でもなく。
かくいう私自身、このタイプの漫画を常備している一人である。アニマルセラピーがあるんだから、別に漫画セラピーが存在しても良かろうて。
その代表格として紹介したいのが『貧乏姉妹物語(小学館/かずといずみ)』。えらく直球ド真ん中なタイトルだが、別に姉妹が極貧にあえぐ悲しい話ではないのでご安心を。
まずは、やんわりと作品概要を――。主人公は9歳と15歳の元気で無垢な姉妹。母親は次女を産んですぐに病死。父親はギャンブルで借金を作って蒸発。身寄りのない姉妹は築40年のボロアパート(フロなし1K)に住み、姉が新聞配達などのアルバイトをして暮らしている。うーん、今どき珍しいほどパーフェクトな不幸設定だ。
しかし、作中にはそんな悲壮感がまったく漂わない。
春は自室の窓から満開の桜を楽しみ
拾ってきた古いテレビを仲良く使い
土手で草花を愛でながら夕飯の食材(野草)をゲット。
お風呂屋さんで買った1本のビン牛乳は二人できっちり半分こ。
姉妹にとって最高の贅沢とは「いつも一緒にいること」。
なんというか、読んでいるこっちが恥ずかしくなるくらい笑顔と愛情に溢れた姉妹の日常が展開されているわけで。結婚しても不思議じゃないラブラブっぷりだ。実際、日本で唯一のガールズラブ専門漫画誌『コミック百合姫』では、百合系漫画として紹介されたこともあるほどだし……。
時にはちょっとした誤解から姉妹喧嘩したり、気難しい同級生や大家さんに振り回されたりもするけど、この作品に根っからの悪人というのは存在しない。最後にはみんな仲良くなり、いつもハッピーエンドに終わる。とりわけ姉妹のラブラブっぷりに関しては結婚しても(以下略)
絵柄にもいっさいクセがなく、すぐ誰にでも馴染むことができる。さらに作者の特徴といえる超美麗なカラーイラストは単行本でも健在。新規のカラー漫画が単行本用に書き下ろされたりして、「これだけカラーページを使って印刷コストは回収できているの?」と不安になってしまうほど。
やや序盤の巻で誤植が多いのは気になるところだが、これは作者の責任ではなく担当編集者が悪いだけ。むしろ伏線をいくつか回収しないまま全4巻で終わってしまった、その短さこそが残念に思える。
ともあれ読んでいると癒されるのはもちろんのこと、「本当の豊かさって何だろう?」とじっくり考えさせられる作品でもある。
ちなみに原作に加え、本作はドラマCD→テレビアニメ と順調にメディアミックスも展開。ドラマCDは未聴だがテレビ放映版はけっこう面白かった。いずれにせよ原作版は、積極的にお勧めしたいと言い切っておこう。
なお、今回からはレビューに評点(↓)を付けてみたので、よろしければご参考に。
■rokuによる独断評価(5つ☆が満点)
画力 :☆☆☆☆☆
物語 :☆☆☆
独創性 :☆☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆☆