仕事で近くまで来たついでに秋葉原を巡回。いやー、この時期に及んでもクリスマスムードがほとんど皆無なのはさすがだ。聖夜を仕事オンリーで過ごす者として『独り者に優しい街・アキバ』という称号を贈りたい。
閑話休題。
そんなアキバで『戦う!セバスチャン(新書館/池田乾)』の最新刊をゲット。全方位の読者を対象にしたスラップスティックコメディだが、掲載誌がボーイズラブ誌というのが大きな特徴である。
さて内容はといえば、架空の街「フラン○フルト」にある大金持ちの邸宅が舞台。全身に凶器を隠し持つ超美形執事・セバスチャン(♂)を筆頭に
・IQ250なのに仕事をサボリまくる若旦那
・さわやか美青年だがリアルゲイのお抱えコック
・不死身、さらに脱皮までする謎の少女型クリーチャー
・一見常識人だが悪魔とも取引があるお隣の若旦那
・彼らの巻き添えで右往左往する使用人(一般人)
などなど……個性豊かな面々がドタバタ暴れ回る「だけ」の展開がミョーにハマる作品だ。別に強力なライバルが登場するわけでなく、世界に破滅の危機が訪れるわけでもない。ただノホホンとした日常の中でどこまで大騒ぎできるか。その極限に挑んだかのような作風。
部屋や調度類を壊すのは当たり前、時には屋敷の一角を吹き飛ばし、まれに屋敷全体が崩壊。屋敷の全員で花見に出かければ周囲一体が焦土と化すような、なんとも潔い暴れっぷりが魅力。それでも死人はいっさい出ず、日常が続いてゆく。まさに正統派コメディの教科書のような作品と言ってもいい。
ちなみに主役を務めるセバスチャンは、必要ならば自分の主人さえシバき倒すクールな鬼畜だが、登場する全キャラは自ら進んでセバスチャンをイジり、そして至福の表情でシバかれる。このセバスチャンに対する歪んだ愛情表現をほほえましく思えるようになれば、読者として合格だろう(←何の合格なのか)。絵が非常に巧いのもプラス要素。
いちおうボーイズラブ誌の掲載とはいえ、それっぽいシーンは作中にほぼ皆無なので安心して構わない。老若男女を問わず気軽に読める佳作として広くおすすめしたい。あとは腐女子の皆さんがウヨウヨしているBLコーナーから本を抜いてレジへ持って行く勇気さえあれば。
■rokuによる独断評価(5つ☆が満点)
画力 :☆☆☆☆☆
物語 :☆☆☆
独創性 :☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆



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