マンガ好きライター陣が執筆する日刊マンガ(漫画)ニュース&レビューブログ!
   

夏休みの臨海学校で、謎の「ゲーム」参加に契約した15人の少年少女。訳もわからず乗り込まされたのは全長500メートル級の黒いロボット。襲い来る外敵に勝利しない限り、地球人類が滅びるという宣告をされてしまう。圧倒的パワーで敵を退ける彼らのロボットだが、その代償は「パイロットの避けられない死」だと知る。一人、また一人と仲間を失いながら15体の敵を排除するために彼らの戦いは続く……。

重い。いきなり重すぎるテーマですよ母さん。

ぼくらの』は近未来の日本を舞台に、まあ上記のようなストーリーが展開される青春群像劇とでも申しましょうか。話の軸には巨大ロボット同士の戦闘があるけど、あくまで強調されるのは搭乗することになった少年少女たちの内面描写。生き様というより、この作品の場合は「死に様」といった方がしっくり来るかも。

なんといっても自分がメインパイロットになった戦闘では、勝っても負けても死ななければいけないのである。さらに負ければ、自分もろとも世界丸ごと滅亡してしまうという極悪なオマケ付きだ。あまりにダイレクト、そして何という理不尽。あの『エヴァンゲリオン』さえ超える、まさに“究極のセカイ系”といえるだろう。

さすがに主要キャラが15人になると、それぞれの過去や行動原理、戦闘に臨むときの心構えもバリエーション豊富。正しいルールを知らされる前に死ぬ者、死の恐怖からパニックを起こして戦闘放棄する者、大切な存在を守るために納得して戦いに挑む者、ロボットの強大な力を復讐に利用しようとする者――。中には戦闘シーンの描写がないキャラもいるが、大切なのは本人が戦闘に至るまでの葛藤なので特に違和感をおぼえることはないはず。

率直に個人的な感想をいえば、序盤を読んでいる時は面白さよりも嫌悪感が勝っていた。絵柄に若干のクセがあるのに加え、とにかく人の命が軽すぎると思ったからである。だが読み進めていき、「彼らは誰と戦っているのか」「なぜこの戦いが仕組まれたのか」が明らかになるあたりから印象はガラリと変わっていく。ネタバレを避けるため詳細は記載しないが、とにかく2巻くらいまで読み進めて欲しい。1巻だけでは足りない。作品世界にどっぷり浸るためには少なくとも2巻まで読む必要がある。そうすれば、もう抜け出せなくなることを保証してもいい。

ちなみに本作品はアニメ版・小説版も存在し、それぞれ設定や登場人物まで多くの部分が異なっている。ロボットつながりなのか、アニメ版の声優陣は「ガンダム乗り」の割合がやけに高いのも特徴。原作となる漫画版がスタンダード(基準)だが、別メディアとの違いを比べながら楽しむのもアリだと思う。

少なからず読み手を選ぶとはいえ、アクション要素よりも重厚なドラマ性を求める人なら蔵書に加えて損はない作品である。

■基礎データ - 『ぼくらの』
・作者  :鬼頭莫宏
・出版社 :小学館
・刊行状況:7巻まで(続刊)

■評点 - 『ぼくらの』(5つ☆が満点)
画力  :☆☆☆
物語  :☆☆☆☆☆
独創性 :☆☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆

投稿者:roku
 

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