7月から菊川玲の主演で実写ドラマ化される『打撃天使ルリ』。このニュースは先日の記事で紹介したばかりだが、ドラマ放送に先駆けてもう1つネタを投下しておこうと思う。ヤンジャン公式サイトでも触れられていない話なので、職場や学校で自慢するのに使うといい(?)。
実は、この『打撃天使ルリ』には1990年代半ばに連載スタートした『打撃マン』というプロトタイプが存在していたのだ。作者は同じ山本康人だが、掲載誌は講談社のモーニング系列「マグナム増刊」。もうずいぶん前に廃刊となっているので、おそらく知っている人は少ないだろう。
さて、それでは『打撃マン』とはどんな作品だったのか? 実のところ基本は『ルリ』とほぼ同じで、法で裁けぬ絶対悪を怒りの拳が葬り去る――そんな勧善懲悪の打撃ストーリーである。ただし主人公は伊達保という男性サラリーマンになっている(詳細は後述)。
人当たりのいい伊達は職場の結婚式場でもそつなく仕事をこなし、家庭では幸福な生活をおくる毎日。なんの不満もないように見える生活だったが、伊達の体内からわきおこる“何か”が彼を突き動かし、日々ハードな肉体のトレーニングに励んでいた。
そんなある日、彼は電車内で不良にからまれる女子高生を助けようとするが、逆に不良によって背後から羽交い締めにされてしまう。そこへ襲われた女子高生本人が怒濤の反撃を開始。ナイフを華麗にかわし「だしゃあ!」と一撃で不良を沈めた。
その情景に唖然とする伊達に向かって、少女はひと言だけ告げる。
――『打撃マンの世界へようこそ』と。
こうして謎の女子高生・ルリ(『打撃天使』の原型となったキャラ)にいざなわれた伊達は、その後も理不尽な悪と戦いながら真の“打撃マン”として覚醒していく。
見開き2ページで繰り出される打撃「だしゃあ!」の圧倒的なカタルシス、打撃マンとしての自分自身に悩む主人公など、作品全体としてはほぼ『打撃天使ルリ』のノリだが、もちろん細部はいろいろ違っている。
【おもな『打撃天使ルリ』との相違点】
・主人公は男性サラリーマン。
・世界観は『打撃天使ルリ』の、おそらくパラレルワールド。
・“打撃人類”ではなく“打撃マン”という、より直接的なネーミング。
・打撃マンは伊達だけではなく「女子高生打撃マン」「社長打撃マン」「力士打撃マン」など複数おり、互いになんらかの交流がある模様。
・打撃マンに敵対する悪の集団が登場する。
・発行元の出版社が集英社ではなく講談社。
まあ、上記のあたりを踏まえておけば『打撃天使ルリ』の予習として不足はないだろう。
ちなみに完結した『打撃天使ルリ』とは違い、こちらの『打撃マン』はいまだ正しい形で終了していない。掲載誌だったモーニングマグナム増刊が休刊になったあおりを受け、中途半端な状態で掲載終了。そしてしばらく後にモーニング本誌で数話分の追加連載を行ない、そこまでが単行本(全3巻)になっているに過ぎないのだ。
何を隠そう万単位で漫画を読んできた私が、個人的に「20世紀最高の漫画」と推すのがこの『打撃マン』。せっかく続編がドラマ化されるのだから、その勢いで連載復活または単行本の再発行などに期待したいものである。だしゃあ!
(※注)本記事は公式記録が少なくライターの記憶に頼っている部分もあるため、若干事実と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
■作品データ 『打撃マン』
・作者 :山本康人
・出版社 :講談社
・刊行状況:全3巻
■評点 - 『打撃マン』
画力 :★★★★★
物語 :★★★★★
独創性 :★★★★★
総合評価:★★★★★(まさに死角なし!)
■関連作品
・打撃天使ルリ



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