マンガ好きライター陣が執筆する日刊マンガ(漫画)ニュース&レビューブログ!
   

つい2週間ほど前の記事で『金色のガッシュ!!』作者の雷句誠が小学館を提訴したニュースを取り上げたばかりだが、また新たに漫画家がらみの訴訟トラブルが起きた。

今度は『軍鶏』の漫画家・たなか亜希夫が、原作者である橋本以蔵の提訴に踏み切ったのだ。

ニュースソースはこちら(↓)
 人気漫画「軍鶏」謎の休載の舞台裏 著作権めぐり訴訟トラブル

産経新聞の記事によれば、原告のたなかが「軍鶏は自分が単独で創作した作品」と主張し
・『軍鶏』が自分の著作物であるとの確認
・著作権料およそ1億5000万円の支払い

という2つを原作者の橋本に求めたとのこと。

原告の主張によると橋本は『軍鶏』の連載スタートにあたり、ごく大雑把なあらすじしか提供していなかったそうだ。残る設定やストーリーはすべて作画担当のたなかが考えたようで、これが事実なら軍鶏ファンとしても「原作者は何やってんだ…」と言わざるを得ない。

今回の提訴に対して被告となる橋本側も法廷で争っていく構えを見せ、ますます事態は混迷の度合いを強めそうだ。

ちなみに上記ニュースソースにも少し書かれていたとおり、『軍鶏』はイブニング誌上で連載されていた作品。今年1月から休載になっているが、それまでは板垣恵介の『飢狼伝(原作/夢枕獏)』と並んで同誌を代表する本格派の格闘漫画であった。

本作は、おとなしい主人公(成嶋亮)が自宅で両親を刺殺して少年院に送られる、というショッキングな事件ではじまる。少年院で生命の危機にさらされた亮は、空手の師範から“生き残るための空手”を学び、すさまじい鍛錬の末に超実戦空手を会得する。

空手習得のくだりだけ見ると往年の名作ボクシング漫画『あしたのジョー』を連想させるが、出所後の展開はまったく別物。

皮肉なことに空手の体得が亮のなかに眠る“野獣”を覚醒させ、暴力組織とつながりを持ったり地下ファイトに挑んだり、ただ強い者を打ち倒す修羅となっていく波乱のストーリーが待っている。勝つために平気で反則技を使い、目的の相手を闘いの場へ引きずり出すには犯罪行為も辞さない……などというバーリトゥードな主人公は、数ある格闘漫画のなかでも彼くらいだろう。

そんなわけで格闘漫画といえば『空手小公子 小日向海流』しか知らないような人にはオススメしにくいが、『シグルイ』や漫画版『バトル・ロワイアル』が大丈夫だった人にはきっと刺激的な漫画となるに違いない。個性的なキャラクターとこだわり抜かれた殺陣シーンの完成度はきわめて高く、とりわけ空手家・菅原と激しい死闘を繰り広げる“リーサルファイト編”までは必読といえる。

いっときの混迷展開(中国拳法編)を抜けて、再びテンションの上がりかけた“グランドクロス編”途中で休載となったのはファンにとっても不幸なことだが、作者の公式ブログには連載再開をにおわせる発言も掲載されている。

訴訟の展開をハラハラ見守りつつ、既刊分の単行本を読んで一日も早い再スタートを待ちたいところだ。

投稿者:roku
 

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