本日、2008年7月31日。都内の地下鉄に乗る男性たちを眺めていると、心なしか「週刊ヤングサンデー」を手にしている姿を多く見かけたような気がした。
本日、2008年7月31日。――第35号をもって、1987年に創刊されたヤングサンデーが休刊となった日である。
なにやらしんみりした前口上だったが、これは一人の漫画ファンとして注目すべきトピックだろう。かくいう私も当然のようにヤングサンデー最終号を購入してきた。
まずもっとも読者が気になるのは「どの作品が休刊後にどの雑誌へ移るか?」という点。これは先日、AKAEさんの記事で速報が伝えられたばかりだし、公式サイトにも移籍先の一覧が載っているので本記事では割愛する。ビッグコミック系への移籍が多かったのは、以前の記事に書いた予想と比較的近い。
まだ移籍先が決まっていない『アイドルA』『CUT~活人~』についても公式サイトで情報が公開されていく予定。気になる人は随時チェックしておくのがいいだろう。
さて、ここからは最終号のダイジェストをば。
若干のネタバレ要素もあるので注意されたい。
最後に巻頭グラビアを飾ったのは、グラビアアイドルの沙綾。デビュー当時は「11歳でFカップ!」などと騒がれたものだが、いつの間にか14歳ですか。オジさんも年をとるはずです……。まあグラビアにまで文句を言うつもりはないが、やはり創刊21年の雑誌を締めくくるには21歳の人を採用したほうがメッセージ性も強まったような気がする。
そして巻頭カラーはビッグコミックオリジナルへの移籍が確定している『Dr.コトー診療所』。ストーリー的にも一段落ついて、ちょうど次からは新章展開となる。スピリッツに移籍する『クロサギ』も同様で、エステ詐欺編がうまく本号にて終結。休刊だろうが関係なく、きっちり進行しているのは実写化もされた看板作品の余裕からか。
スピリッツ増刊号に続きが掲載される『都立水商!』『暁のイージス』といった長期連載作も特に休刊を意識させるような描写はなかった。
……ということは逆にいえば、やはりあるんですよ。休刊をきっちり意識させてくれる連載作品が。
まずは移籍先の雑誌名に「ビッグコミック」が付かない唯一の漫画『魔Qケン』(IKKIで連載継続)。開始2ページ目からいきなり「僕らがヤンサンで活躍できる最後の日なんだよ!」とぶっちゃけます。いちおう展開上は野球の決勝戦なのだが「それ(試合の続き)は編集部にまかせとけばいい!!」発言も飛び出す。さすが喜国雅彦。休刊すらギャグのネタにするプロ魂はあっぱれ。ちなみに作者本人も作中に登場。試合を見ずに女子高生のナマ脚を描くヘンタイ漫画家さんの役どころであった。
これよりさらに休刊を意識させたのは、最終回となる『絶望に効くクスリ』。今回はどの著名人に会うわけでもなく、作者である山田玲司本人が主役。冒頭から酒場で飲んだくれて、周囲(元読者?)から嘲笑を浴びるという鬱展開だ。
「掲載誌が休刊」とか「絶薬って漫画も終わりにさせられる」とか、他人の口を借りたダイレクトな表現が目立つ。その後、山田自身のモノローグを挟んでから、舞台は一気に時空を超える。本作の最後に山田玲司が出会った人はベレー帽をかぶった漫画の神様、つまり“あの人”。神様との対話が本作のラストであった。作者がこの終わり方で満足だったかどうか定かではないが、まあ1つの終焉ではあると思う。むしろ気になったのは「第1シリーズを総括せよ」という最終話のサブタイトル。どこかで再開するのか、この漫画?
というわけで駆け足に最終号のヤンサンを眺めてきたわけだが、やはり読後感は“祭りの後”というか、少し寂しい印象がある。おおむねヤンサンの掲載作は個体差が大きいというか、玉石混淆というイメージが昔から強かった。連載作家が総じて高い画力(しかも小学館らしいテイスト)を持っていたのも特徴のひとつ。講談社のヤングマガジンでもなく、集英社のヤングジャンプでもなく、やっぱり「ヤングサンデー」という漫画雑誌は独自のスタイルを持っていたのだな……と今さらながら気づかされる。

週刊ヤングサンデー最終号、最終ページ。
その短い言葉に万感の思いを
ひとまずお疲れさまでした。週刊ヤングサンデー。
僕たちは、きっと、その名前をいつまでもおぼえている。
【関連URL】
・週刊ヤングサンデー 公式サイト
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