皆さん、ギャルゲーは好きですか? もちろん私は[禁則事項]ですよ。

さて。このほど“ギャルゲーの理論だけで現実の女の子を攻略する”という超絶コンセプト漫画『神のみぞ知るセカイ』第1巻が発売され、大いに話題を呼んでいる。掲載誌は週刊少年サンデー。作者は若木民喜。今年4月に自身のブログで「銀行残高が1万円を切った」発言をするなど、別の意味でも有名になった猛者だ。
単行本の売れ行きは関係者の予想を超えるものだったらしく、アキバBlogによれば「アキバのとら・メロン・K-Booksでは発売から3日目の時点で完売し、メロンの中の人いわく「こんなに売れるとは思わなかった」とのことだった」と書かれている。実際、我が家(都内某所)の近隣で中規模クラスの書店を4軒まわってみたところ、どこも第1巻の在庫数はゼロという有様であった。

秋葉原・メロンブックスでは待望の再入荷。推計250冊と目される巨大なタワーができていた。
(画像提供:アキバBlog)
では、この作品のどこがそんなにユニークなのか?
あらすじを知らない人のために軽く解説しよう。
■ストーリー概要
主人公・桂木桂馬はギャルゲーをこよなく愛する17歳の男子高校生。
現実世界では女の子の手を握ったことすらなく、「オタメガネ」と罵倒されるほど。
だが現実の女性に興味のない彼も、ひとたびギャルゲーを前にすれば
あらゆるキャラを完璧に攻略する“落とし神”となる。
そんな桂馬はある日、ひょんなことから死神の少女・エルシィと契約するハメに。
エルシィの目的は、地獄から抜け出して女の子に取り憑いた悪人の魂(抜け魂)を狩ること。
そして抜け魂を女の子から分離させるには、恋心を抱かせる――
すなわち男性に惚れさせてキスさせることが条件。
生身の女は嫌いだと拒絶する桂馬だったが、自らの命が懸かっていると知って
狩りへの協力を承諾。
10000タイトルのギャルゲーを攻略してきた“神のゲーム理論”を武器に、
現実の女子たちへ挑む!
……と、こんな感じだ。
「おいおい、ゲームの経験だけで現実の恋愛が成功するかよ」と否定したくなるのも無理からぬこと。しかし主人公は本当にそれをやってしまう。あまりに展開自体はご都合主義のカタマリなのだが、それすら“ひょっとして現実でもアリじゃないか?”と錯覚させられてしまうのは、きっと主人公が自信満々に放つ数々の名言(問題発言?)のおかげだろう。
【第1話より おもな桂馬くんの発言】
・現実なんてクソゲーだ!!(ものすごく理知的なポーズで)
・ボクは、現実の女と手をつないだことすらない!!(背景に雷のエフェクト)
・陸上部女は髪をくくってるんだよ!!(気迫が地面を奔るエフェクト)
・見えたぞ。エンディングが!!(女子攻略法を見つけた時のキメゼリフ)
いや実際、ここまで言い切れたら単なる痛いオタクじゃない。作中同様“神”と呼んでも差し支えあるまい。しかも彼は現実と妄想の区別が付いていないわけでなく、きっちりゲーム中の攻略理論を現実世界に当てはめながら、ときには臨機応変に補正を加えてフラグを立てていく。突き抜けたストーリー展開なのに妙な説得力を感じるのは、このあたりにも秘密がありそう。
こうして桂馬は悪人の魂を狩るために「元気系スポーツ少女」「ツンデレ&ツインテールお嬢様」などを次々に攻略(彼女らの記憶は消えるため、その後の攻略には影響しない)。現在のサンデー誌上では「空想系読書少女」を攻略中。最新号はセンターカラー掲載となっており、編集サイドの気合いもかなり入っている模様だ。
これからも願わくば、世界の滅びと対峙したりバトル漫画展開に入ったりせず、ひたすら作者には今の“それなんてギャルゲ?”スタイルを貫いて欲しい。
僕たちファンはそれを暖かく見守っていきます。……300メートルくらい離れたあたりから。
■作品データ 『神のみぞ知るセカイ』
・作者 :若木民喜
・出版社 :小学館
・刊行状況:1巻まで(続刊)
■評点 - 『神のみぞ知るセカイ』
画力 :★★★★☆
物語 :★★★☆☆
独創性 :★★★★★
総合評価:★★★★☆
【関連URL】
・HoneyDipped (作者公式ブログ)
・予想以上に売れた「神のみぞ知るセカイ」 再入荷 - アキバBlog



コメントする