「ケ~ンヂくん、遊びましょ!」
「…え、僕ケンタロウだけど…一緒に遊ぶ?」
なんて会話があったかどうかは知らないが、マンガ関係者のなかで「なぎらけんいち似、オブ ジ イヤー」を毎年のがさず受賞している竹熊健太郎・著の『20世紀少年探偵団』が発売された!
表紙は浦沢直樹。子供時代のケンヂ、マルオ、ヨシツネにまじって竹熊氏の顔が。ご本人は 「たけくまメモ」で悶絶してらしたけれども、わかりやすくてよい表紙かと思います。いろんな意味で。
さてこの本、『20世紀少年』を読むためにあらかじめ感じておきたい、70年代がぎっしりと詰まった本である。
・’70大阪万博
・正義の味方
・’69アポロ月面着陸
・謎の生物の謎
・中山律子伝説
・団地妻の真実
・ローラーゲームを体験!!
・グァムの横井さん
・超能力を追え!!
目次をざっと羅列しただけでも、この脈絡のなさ。『20世紀少年』を読んではいても、どのネタだっけ…?と一瞬記憶を探る人もいるのではないか。しかしこれらはみな、70年代を読み解くためのキーワードだ。
『20世紀少年』のなかにさりげなく、あるいはあからさまに散りばめられたワード。同じ時代を呼吸した者として、それらのもつ意味、背景を、同じ熱量で語ったのがこの本、『20世紀少年探偵団』なのである。
ケンヂ達と同じ70年代の子供の気持ちで、それを引きずりつつもすっかり計算高くなった大人の目線で、この本は書かれている。
たとえば最近の『ALWAYS 三丁目の夕日』に代表される昭和レトロブームの、多幸症のような昔はよかった感はない。(昔は熱狂していた…実は今も感はある。)
国民全部が盛り上がった’69アポロ月面着陸や’70大阪万博も、当時の思いと冷静な位置づけの両方に言及。グァムで横井さんを発見したご本人と対面して、当時の様子や日本兵と住民との確執を聞いたりもしている。
大平洋戦争の影と高度成長期の疲弊がおおい被さった70年代。
輝かしい未来が一転して混沌とした暗さにすり変わった70年代。
この時代にはじまった「あるはずの正しい未来に裏切られたような虚無感」。これがなければ、『20世紀少年』は生まれてこなかったであろう。
かの時代を再構成して『20世紀少年』を読み返すもよし、ただただ懐かしく思い出すもよし。
当時を生きた人達が、いまだどこかにあると感じている
失われた未来を、手に取ってみよう。

【関連サイト】
・「20世紀少年」映画版公式サイト
・小学館「20世紀少年ギャラリー」
・たけくまメモ



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