マンガ好きライター陣が執筆する日刊マンガ(漫画)ニュース&レビューブログ!
   

こんにちは、keigoです。

今映画館では、8月に公開された浦沢直樹原作の『20世紀少年』が人気。
コアなファンでも納得する仕上がりのようです。
ちょっと初心者には敷居が高い内容らしいですが、それが原作ファンにとっては嬉しいみたい。

MASTERキートン (1) (ビッグコミックス)

今回のおすすめ漫画は同漫画家の隠れた名作、『MASTERキートン』です。

■あらすじ
ロイズの保険調査員(オプ)である平賀・キートン・太一は、元SAS(英国特殊空挺部隊)のサバイバル教官。
また同時にオックスフォード大学を卒業した考古学者。
日本人とイギリス人のハーフだが、顔立ちは日本人そのもの。
本人は考古学者でありたいと思いつつ、過去の経歴を買われ多方面から調査依頼が。
一話、もしくは数話完結の可逆タイプ(ドラゴンボールみたいにストーリーが進むのではなく、サザエさんみたいに同じ設定で話が繰り返されるタイプ)の漫画です。
政治・社会情勢からサバイバル、考古学まで、幅広いステージが魅力!

■見どころ
題材はかなりマニアック。
かといって「知っていないと楽しめない」という雑学ものでもなく、いい意味でわかりやすい人間ドラマとサスペンスが随所にあり、全く飽きることがありません。
彼の活躍の例として……

(以下、amazon「著者、出版社からの内容紹介」から引用)

「ギリシャで転落死した国際的ジャーナリスト、レオン・パパスの保険金受取人に不審点を抱いた英国最大の保険組織・ロイズがキートンに調査を依頼。ギリシャに飛んだキートンは、パパスが軍隊時代の上官にある弱みを握られていたことを突き止める。(第1話)」

「フィレンツェに留学したまま連絡が途絶えた画学生・松井宏。彼の消息調査を依頼されたキートンはフィレンツェに飛ぶのだが、宏の周辺には、イタリアのテロ集団、「赤い旅団」の影が……(第2話)」

(引用ここまで)

さまざまな問題を彼は、軍隊で培った経験、圧倒的な知識量、そしてそれらに裏づけされた自信によって解決に導きます。

主人公のキートン。設定は考古学者でありながら、元SAS教官というバリバリのエリートです。
しかし実際の生活が華やかであるかといえば、全然そんなことはない。
考古学がやりたいのに、それだけでは食べていけず、保険の調査員をやっています。
抜群に優秀な学者でありつつ、自由に自分の研究ができず、いろんな仕事を引き受けるのです。

彼が単なるエリートなら、ここまでこの漫画に魅力を感じなかったでしょう。
貧乏性で、レストランの砂糖やミルクをポケットにしまってしまうような描写にも、親しみを覚えます。

凝った題材、緻密なプロット、そこから導き出されるスリルとリアル、そして暖かい人間ドラマ。
これだけの内容を絶妙なバランスで料理した浦沢直樹はやはり天才だなと。
数ある彼の作品群の中でも、本書を彼の最高傑作だと推すファンは多いです。

扱う話題の広さ(歴史、時事問題など)も分かりやすく解説され、読んでいて苦労はありません。
知識を押し付けられるような嫌味もない。
おそらく作者か原作者は、主人公が行く世界のほとんどをよく取材して、ときには足を運んだのでしょう。
さらっと出てくる地名、言葉の使いまわし、その土地なりのエピソードは、彼がこの作品に傾けた情熱が伝わってきます。

 あらすじでは本書のことを「可逆タイプ」といいましたが、厳密にいうと、回を追うごとに少しずつ時代が変わっていきます。当時の世界情勢などを少しでも知っていると、当時を懐かしむこともできるでしょう。

本書は、浦沢作品史上最高の傑作という評価がある反面、謎の多い作品でもあります。

・原作者の勝鹿北星はほとんどこの作品に関わっておらず、ストーリーはほとんど浦沢直樹と編集者が考えていた?
・そもそも勝鹿北星という原作者はいなかった?
・超人気作品でありながら、通常版/ワイド版ともに現在絶版となっている。コンビニ版は出たが、文庫版発売はキャンセルされたらしい。一説には著作権 or 印税トラブルとも。

実際に本屋さんに行っても、この本が置かれているケースは非常にまれです。
ブックオフを始めとする大型中古書店でもほとんど目にしません。

新品を見つけたら、買っておいて損はないでしょう。
いずれ、プレミアになること間違いなし!?

■メディアミックス情報
・アニメ版「MASTERキートン」
1998年に原作の全144話の一部を全24話の一話完結式で日本テレビ系列で放送。

MASTERキートン File1

ビデオ化の際には新たに15話が制作され、全39話。
ほぼ原作に忠実で、映像のクオリティもファンから高評価を受けています。

keigo個人的にはOP・ED曲のチョイスもかなり気に入ってます。
特に後期のED、Kneuklid Romance の「ためいき」は名曲!(現在バンドは解散、楽曲も廃盤に……)

■作品データ 『MASTERキートン』
・作者  :浦沢直樹 (原作者:勝鹿北星)
・出版社 :小学館
・刊行状況:全18巻

■評点 - 『MASTERキートン』
画力  :★★★★
物語  :★★★★★
独創性 :★★★★★
総合評価:★★★★★

投稿者:keigo
 

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