問題続きでなにかと話題が絶えない日本の国技・大相撲。
こんな時にこの漫画のことをとりあげていいのかなと思いつつ、
でも、こんな時だからこそ、もう一度読んでみるのも面白いんじゃないかと思い、
紹介させていただくことにしました。

相撲漫画といえば、『のたり松太郎』(ちばてつや/小学館)か、この作品といえるのではないでしょうか。
かつてアニメ化されたこともある『ああ播磨灘(さだやす圭/講談社)』です。
なお、正式タイトルは『読むと強くなる横綱漫画 ああ播磨灘』
~あらすじ~
大相撲9月場所 新横綱・播磨灘は仮面をかぶっての前代未聞の土俵入りをおこなう。
さらには、この先、一度でも負けたならその場で引退すると宣言。
相撲界のしきたりも風習も、横綱の品格もどうでもいい。
横綱に必要なのは強さ・そして勝つこと。
破天荒な横綱・播磨灘の相撲協会、親方衆、
そして全幕内力士を敵に回した土俵での戦いが始まった…
~見どころ~
1992年にはアニメ化もされたこの作品。
とにかく主人公・播磨灘の破天荒ぶりが半端ではない。
仮面をつけての土俵入りなんぞは序の口。
(しかも毎回同じ仮面じゃないんだよ、これ)
ころがした力士に暴言を浴びせたり、またいだり。
しかし…それでも播磨灘から誰もが目をはなせない。
なぜなら、彼が誰よりも強い横綱だから。
作品における播磨灘の相撲の勝ちっぷりはまさに横綱相撲。
傲慢で強引でクリーンファイトとはいいがたいその土俵での姿でありますが、
しかし、完膚なきまでに相手を土俵にたたきつけるその姿は、
なぜかある種の爽快感がある。
そう、やっぱり相撲はこうであってほしいのだ。
強い横綱が格下の力士を土俵に転がす。
これこそが、昔から大衆娯楽として、日本の伝統格闘技としての相撲の在り方じゃないかと思う。
そう考えれば、決して無視できない何かがこの作品にはあるような気がします。
当時は兄弟力士、貴花田・若花田(後の貴乃花・若乃花)の若貴兄弟が人気を集め、
大相撲のブームの真っただ中で、大相撲を扱った漫画もそれなりにあったはず。
実はその頃から、私も相撲が好きで、時々相撲雑誌を読んでいたりもしていたんですが、
当時、相撲好きとして知られるデーモン小暮閣下が某相撲雑誌の連載の中で、この作品について、
「最近の相撲漫画の中では、しきたりや取組などの描写がしっかりしている」的なコメントをされていたのを記憶しています。
実際、作品中では、播磨灘という横綱は非常に破天荒ですが、土俵の取り組みそのものはすごくリアルに描かれているので、いわゆる格闘漫画としてだけ見ても、十分見応えがあることを保証します。
さまざまな問題で揺れ動いている大相撲。
相撲が本当にあるべき姿とは、どういうものなのか?
今だからこそ、「ああ播磨灘」を読み返してみたら、その答えが見えてくるかも…?



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