こんにちは、keigoです。
夜中にスカパー!のスポーツチャンネルを見ていたら、過去の名馬特集をやっていました。
府中競馬場を徒歩圏にして育った僕は大の馬好きでして。実際に馬券を買うことはほとんどありませんが、今でも競馬中継は興味を持って見ています。

競馬の漫画って、そういえばいっぱいあったよな~と思い出したのが、今日の一本。
今日紹介するのは、少年サンデーでの隠れた名作『じゃじゃ馬グルーミン★UP!(作:ゆうきまさみ)』です。 今思い返しても、この作品はチビっこ名探偵や天才野球少年の陰に隠れて、ちょっと地味なポジションだったな~。
■あらすじ
東京の進学校に通う高校生・久世駿平は、春休みに北海道へバイク旅行。
旅行中のトラブルから競走馬生産の渡会(わたらい)牧場と関わることになる。
仕事を通し人馬とふれあう中で牧場の魅力に取り付かれ、日本一の競走馬の育成を目標とするようになる。
進路に関する親との対立、友情や恋愛、結婚といった人生の様々な出来事を体験し、駿平は歳を重ねていく。
■みどころ
主人公である駿平は、フツーの高校生。
競馬漫画にありがちな天才ジョッキーだったり、凄腕予想師だったりということはありません。
どちらかというとちょっと内向的で、アクティブじゃない。そのへんにいくらでもいそうなキャラ。
そんな彼を中心に回っていく漫画ですから、内容も自然とホームドラマっぽくなります。
よく、何年も続いているテレビドラマがありますよね。
内容はパターン化してるけど、なんでだか見てしまう。とりあえずやってたら見ないといけない気持ちになる。見たら幸せな気分になる。
『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』はまさにそんな、不思議な中毒性をもった漫画でした。
この漫画の白眉は、リアルタイムの経過と作品内の経過がほぼ同じということ。
つまり、連載時の現実世界が春なら漫画内でも桜が咲いているし、日本のどこかで雪が降れば駿平もマフラーを巻くのです。
そして引退した馬の子供が、数年経ってターフに戻ってくるのも同じ。
週刊連載での読み手が、駿平の送っている牧場生活を疑似体験していけるような構成だったんですね。
時間の流れは、競馬ファンにとって大事な要素です。
競馬は「血のスポーツ」と呼ばれることからもわかるように、何代も受けついだ競走馬の血統から、ロマンを感じて楽しむもの。
その時代によって好きな馬がいて、彼(彼女)が引退してもまた数年後にはその子供が走っていて、思い入れから応援する。時間をかければかけるほど楽しくなるのが競馬の一番のエンターテイメント性でして。
それを漫画で表現したゆうきまさみは、おそらく世界的にみても希有な漫画家でしょう。この点、作者と編集部に拍手!
物語は、ただひたすら牧場での出来事を描いています。
それでも少しずつ馬に取り付かれた人物の魅力、人間ドラマに引き込まれるのです。
誰にも視点が偏ることなく(主人公さえ、ほとんど登場しない回があるくらい)、キャラクターに起こった出来事をたんたんと書く。ちょっと長いエッセイを漫画で読んでいるような感覚にもなります。
本作中に登場する競馬関係者、馬、レース、牧場などには、どれもモデルがあるようで。
競馬ファンなら容易に想像できるそれらの存在は、作品中のちょっとした笑いのポイントにもなっています。
ゆうきまさみ自身の別作品からキャラが出張していたり。
こういう「わかる人ならわかるネタ」が僕は好き(笑)。
競馬に詳しい人でもそうでない人でも、ちょっとした時間に読み返して楽しめる。そんなオススメ漫画です。
■作品データ 『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』
・作者 :ゆうきまさみ
・出版社 :小学館
・刊行状況:全26巻(文庫版/全14巻)
■評点 - 『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』
画力 :★★★☆☆
物語 :★★★★★
独創性 :★★★★★
総合評価:★★★★☆



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