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2000年に開始され、独特の格闘描写でファンの話題をさらった『ホーリーランド』が連載終了を迎えた。最終回は現在発売中のヤングアニマル11号に掲載されている。

原作および実写版ドラマを知らない人のためにフォローしておくと、本作はいじめが原因で引きこもりになった高校生・神代ユウが主人公。ふとしたきっかけからボクシングのワンツー(基本的なパンチ)を体得し、街へ出かけては不良少年を倒していくようになる。そのうち彼の存在は「ヤンキー狩り」として広く知られていくようになり、さまざまなライバルたちと闘いながら成長を遂げていく話だ。

青年漫画誌の連載なので凄惨なバトルシーン描写も多いが、いじめられっ子の単なる復讐劇にはなっていない。むしろ仲間との絆や友情にウェイトを置き、主人公の人間的な成長を描ききったのがヒットの理由といえるだろう。ホーリーランドという作品タイトルも、主人公が“聖域”を守るために闘うことを意味している。

さて、ネタバレを極力避けながら最終話のレビューをば。

ラストは本編から2~3年後が舞台。すでに自分の居場所を守り抜いた「ヤンキー狩り」は街から消えて久しく、彼と激闘を繰り広げたライバルたちも各自の道を歩み始めている時期。ヤンキー狩りの名は、少年たちの間で語り継がれる伝説にまで昇華されていた。

ならば彼は本当に街からいなくなったのか? ――否、そうではなかった。

伝説を耳にした一人の少年が、ふらりと夜の街に現れる。あの”ヤンキー狩り”も昔は自分と同じいじめられっ子だったという話が半信半疑で、それを確かめるために。

だが目的の相手をみつけるどころか、逆にタチの悪い不良たちに絡まれてしまう。そこへ穏やかな口調の青年が登場。圧倒的な強さでヤンキーを撃退して「君は変われるよ」と言葉を残していく。次の瞬間には、もう青年の姿は消えていた。

……こんな感じで物語は幕を閉じる。

本編中ではまるで息づかいが聞こえてきそうなほど実在(リアル)な人間として描かれていた神代ユウも、ラストでは幻想的な描かれ方をしているのが印象的であった。なんとなく『哭きの竜』の最終回を思い出したのは自分だけだろうか。読者によって感想はさまざまだろうが、個人的にはかなり良質なラストシーンに分類されると思っている。コミックスの最終巻が発売されたら、まとめて全ストーリーを読み返してみたい。

ちなみに余談をひとつ。

わりと知らないファンも多いだろうけど、作者の森恒二と『ベルセルク』で人気を博す三浦健太郎は学生時代からの友人である。この作品の主人公には実在のモデルがおり、森&三浦にとっては共通の友人であった。その友人を森は『ホーリーランド』で神代ユウとして描き、かたや三浦は『ベルセルク』で名脇役・ジュドーとして登場させている。まったく別作品のキャラに共通モデルがいたというのは、なかなか興味深いエピソードではないか。

ちょっと話が逸れてしまったが、この作品は近年の風潮である「適当に殴り合いさせておいて、あとは萌え系な女の子を出しときゃ売れるだろう」的な安直漫画とは一線を画した佳作。20~30代の男性サラリーマンが、アツい男の魂を取り戻すには好適(?)な逸品である。

■基礎データ - 『ホーリーランド』
・作者  :森恒二
・出版社 :白泉社
・刊行状況:17巻まで(続刊)

■評点 - 『ホーリーランド』 (5つ☆が満点)
画力  :☆☆☆
物語  :☆☆☆☆
独創性 :☆☆☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆

投稿者:roku
 

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