こんにちは、keigoです。
こないだ某ビジネスセミナーで、なぜかお笑い芸人に会いました。
M-1で準決勝まで勝ちあがった実績があるとのことなので、知っている人は知っているんでしょう。
お笑いの人って、どっかしらマニアックなところがありますね。
ツボに入るとめっちゃおもしろい、みたいな。
わかる人の範囲が狭いものほどギャグは面白いっていうのは、やはり的を射たセオリーで。

ということで今日は決して万人受けはしない(?)ギャグ漫画、『かってに改蔵』です。
■あらすじ
ひょんなことから、自分が改造人間になってしまったと勘違いした高校生、勝改蔵。
風刺ネタ、ギャグ、ブラックジョークなどを交えてマニアックなネタを繰り返す。
■みどころ
個人的に絵柄が好きな作品です。
連載当時の作者のテンション、気持ちの入れ方(惰性な感じなど)がキャラのデッサンによく表れているなあと。
作者の前作である行け!!南国アイスホッケー部と同様、連載期間中に絵柄がどんどん変わっていくのも個人的にツボ。女性キャラには全段ブチ抜きの立ち絵が多用されるなど、連載初期と中期以降ではいい意味で雲泥の差が感じられますね。
最初は「天才塾」をはじめいくつかの設定があるものの、途中から(6巻あたりから?)完全に作者がスルーしているようです。 どんどんキャラクターの性格がラディカルかつエキセントリックになり、さらにネタがマニアックなものが多くなって、読み手の属性を絞りにかかっています。
時事ネタはいま読み返すとよくわからなかったり、何より古くて笑えなかったりと、賞味期限の短さも特徴ですね。このあたりは『幕張』などで知られる木多康昭と共通しています。
ネタのパターンは大体以下の3つ。最初の2つは風化系のネタになります。
・その当時に起きたニュースをネタにする。
・他の作品(漫画に限らずエンタメ全般)をパロディにする。
・日常的な「あるあるネタ」をひたすら掘り下げる。
ネタを包括するストーリー自体については、先にも書いたように「設定忘却」が目立つため説明するのが難しい作品です…(笑)
改蔵は本当の自分を取り戻したかったのか?(そもそも改造人間にはなっていないのだが)
改造人間になった自分を認め、生きる目的を見つけたかった?(ギャグ漫画なのでそれもあやしい)
どう考えてもすっきりしません。
ここはギャグ漫画という基本から、読み手が自由に判断すればいいんじゃないかと。
それと、主人公を囲むキャラクターの濃さも本作の魅力の一つですね。
特に最初の設定から大きく変わってしまった坪内 地丹(つぼうちちたん) 。
改蔵の同級生の、いわゆる「下っ端キャラ」です。
連載初期は真面目で気弱な性格ですが、途中から作者の都合(?)でどんどん壊れていきます(笑)
酒が入って親父な性格になったり、家の中では極度の内弁慶だったり。
中盤からはカルトな擬音「きょきょきょきょきょー!」を得意とし、後半は円形脱毛症になり、たびたびネタ要員として使われるハメに……。
物語をカオスな展開に持っていくとき(もともと整然とはしていませんが…)、作者にとって重宝するキャラだったんじゃないかな。
ほかにもクールで黒い先輩・彩園すず、今風にいえば「ヤンデレ」最前線の名取羽美をはじめ、個性的なキャラという意味では古今東西トップクラスの漫画といえそうです。
一般的にマニアックなネタが濃くなればなるほど、作者読者の距離が縮まり、共通意識が生まれていきます。
その妙な安心感、不思議な刺激によって、長期連載となった作品ですね。
巻末の読者コーナーの盛り上がりは、それを如実に表していると思います。
作品全体のテンションは途中から、作者の自虐っぷりが大変なことに。
有名な他の作家の漫画を鋭い切り口(?)で切り込んだときは「あーこりゃ打ちきりだな」と感じました(笑)
それでもそこからそれなりに続いたことを考えると、読者の支持は大きかったんでしょうね。
毎度バタバタした感じに終わるので、もう少し変化があればよかったなあと思います。
ただ、最終回の締め方は個人的に秀逸。
ネタバレはしませんが、こんな締め方ズルいだろ!と思う反面、こんなふうにするしかないのかな、とも。
当時の2ちゃんでは大議論が巻き起こりました。スレの消費が速かったなあ(笑)
なお、『ハヤテのごとく!』の作者である畑健二郎と師弟関係だったとは(久米田が師匠)知る人ぞ知る話。
本作の第一巻から畑は作画に協力し、いくつかの背景を書いているとか。
アニメ化は弟子に先を越された久米田さんですが、その後、『さよなら絶望先生』のアニメ化によって師匠の面目を保っています。
■作品データ 『かってに改蔵』
・作者 :久米田康治
・出版社 :小学館
・刊行状況:全26巻
■評点 - 『かってに改蔵』
画力 :★★★☆☆
物語 :★★★☆☆
独創性 :★★★★★
総合評価:★★★★☆














