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昭和30年代を舞台に、鬼神のごとき天才ギャンブラー(麻雀打ち)・赤木しげるの闘いを描いた福本伸行の人気作『アカギ ~闇に降り立った天才~』。連載15年を超えてロングランとなっている本作だが、ついに今月から系列誌にてスピンオフ作品『ワシズ -閻魔の闘牌-』が連載開始された。

作画は劇画調のタッチが特徴の原恵一郎が担当、福本伸行は原作でも監修でもなく“協力”というクレジットで参加している模様。現在発売中の近代麻雀オリジナル7月号に第1話が掲載されている。そもそも『アカギ』自体が『天 天和通りの快男児』からのスピンオフなので、この『ワシズ』はスピンオフのさらにスピンオフ作品という面白い存在である。

さて『ワシズ』の主人公は、そのタイトルから分かるように『アカギ』本編で主人公の最強ライバルとして立ちはだかる日本経済のフィクサー・鷲巣巌。彼が赤木と死闘を演じる20年ほど前、敗戦直後の日本がスピンオフ作の舞台となっている。

戦時中に日本の軍部で上層にまで上り詰めたが、いち早く敗戦を予見して軍部を去り、終戦後の日本を支配するために暗躍するワシズ。その先駆けとして進駐軍(GHQ)や数々のアウトローたちと超高レートの賭け麻雀を行なっていた。戦勝国のアメリカ人になんの遠慮もなく無敗を誇るワシズの前に、復讐を誓うギャンブラー(GHQ側の代打ち)が現れて……というあたりまでが第1話のストーリー。

まあどんな漫画でも第1話から出てきた強敵は基本的にかませ犬なので、今月号の展開は言わずもがな。ワシズさんの圧倒的な強さが際だってます。金の力と剛運だけしか武器がない20年後の鷲巣じいさんと同一人物とは思えないが、そこをツッコんでは野暮というもの。赤木しげるに決して劣らない、全盛期のワシズが見られるのは福本ファンとして素直に嬉しいことだ。

ここで気になるのが今後の展開。たとえ作画担当者が違うとはいっても、このままワシズが勢いと才覚にまかせて勝ち進むだけでは差別化が難しく、「結局アカギと主人公を替えただけじゃない?」と言われる可能性もあるだろう。

なので、こちらで勝手にストーリーを予想してみる。ヒントは終戦直後という時代設定。そして20年後のワシズ(鷲巣巌)に引導を渡すであろうアカギ(赤木しげる)は、『アカギ』本編中で20歳前後の青年として描かれている。

つまり展開としては

・『ワシズ』作中でワシズが、アカギの血縁者(母親など)を助ける。
・そのおかげでアカギが誕生。天才ギャンブラーとして成長していく。
・およそ20年後、奇しくも両者が命がけギャンブルの場で対峙。

――という流れならどうだろう。結果的に若き日のワシズは“自分を倒す者(アカギ)”を生み出すという皮肉な展開となり、ストーリー的にもしっくり来る。

余談はさておき、ひさびさにギャンブル系の注目漫画であることは間違いない。まだ『アカギ』を読んでいない人は単行本をがっつり読み返し、勢いでスピンオフ元の『天』まで突き進むのが吉だ。

 
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